杜の都の北の端

だいたいその辺から、知らない貴方へお手紙です。

暇だから

手紙をしたためようと思った理由なんてそれだけのことなのだと

言ったらあなたは怒るのでしょうか。

でも、きっとその後には許してくれると信じて筆を取ります。

暇な時にでも、読んで頂けたら嬉しいです。

お返事は、特に、待っていませんが。

それもやっぱり、頂けたら嬉しいです。

その程度の気持ちなので、気軽にお受け取り下さい。怖くないですよ。どうどう。

 

さて

最初の一通は何を書こうかと迷ったのですが、わたしの住んでいる場所の事について少し書こうと思います。

とは言っても、もともとわたしはこのあたりの生まれではないし

ここに越してきたのも最近のことなので、まだあんまりよくわかっていませんが

わかる範囲で、ということでご容赦くださいね。

 

今、わたしは杜の都の北の方に住んでいます。

北山五山、と呼ばれるお寺があるあたりです。

伊達政宗公が祭られた、青葉神社なんかもあります。

わたしは、神社仏閣が好きなので、このあたりに住むことができてとても嬉しく思っています。

また、このあたりは旧仙台城下町にあたる場所だそうで。

実は小さいころから城下町に住んでみたいと思っていたので、夢が叶った、ということになりますね。

 

北山五山のうちで一番有名なのは、輪王寺ではないでしょうか。

ここのお寺はお庭が綺麗で、これからの季節だと、紫陽花寺、なんて呼ばれたりもするそうです。

花盛りの頃になったら、写真を送りますね。

 

数か月前からはじまったこの街での生活ですが

本当は、こんなところに来ることになるとは、思ってもみなかったのです

けれどわたしも雇われの身。

行けと言われれば、はい、というしかなく、こんなところまで来てしまいました。

ありていに言えば、転勤、というやつです。

人生には、いろんなことがありますね。

 

突然決まって突然やってきたこの街ですが

わたしは存外、この街での生活が気に入っています。

ただ、一つ心配なことは

この年でこんなところに来てしまったら、よもやわたしは嫁にいけないのでは?ということです。

わたしもとうとう、世に名高きアラサーというものになりましたので

その上に恋人もいなければもちろん独身。

アラサー、独身、彼氏なし。という現代の三重苦から、抜け出せる日が来るのか、否か。

どうか、良いご縁がありますよう、あなたも祈っていただければ幸いです。

 

それでは、ずいぶん長くなってしまいましたが、今日はこの辺で。

ゴールデンウィークらしくなく、こちらは曇りの日が続いております。

何やら冷えるような気もしますので、お風邪など召されませんよう、ご自愛ください。

 

                                  ノラ